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世界初 絶滅生物のタンパク質を復元 クジラ研究をバイオ医薬に 【2018/11/15 18:30】 

 ガンやリウマチなどの治療に使われる高価なバイオ医薬品が劇的に安くなるかもしれないという驚きの研究成果が発表されました。

 発表したのは県立大学などの研究グループで、そのカギとなったのは『クジラの祖先』。

 それも5400万年前に陸上で暮らしていた動物のタンパク質です。

 海を雄大に泳ぐ『クジラ』。

 今回の発見の鍵は海で暮らす哺乳類の『クジラ』の祖先が大きなヒントになりました。

 「こちらが5400万年前のクジラの祖先『パキケタス』です。これが海に行ったものがクジラに、川に行ったものがカバになったんです」(研究者)

 『パキケタス』は、長い歳月をかけて陸から海へと適応しながら高い潜水能力を獲得する海洋哺乳類のクジラに進化したと考えられています。

 「細胞のなかで合成してもちょっとしかできません。クジラのミオグロビンは水に溶けやすくて、高濃度で溶け易くて、安定で、細胞のなかで沢山合成できます」(研究者)

 研究グループが目をつけたのは、クジラの筋肉に大量に含まれている『ミオグロビン』という酸素を貯蔵するタンパク質。

 ゲノム解析と遺伝子工学を駆使しクジラの『ミオグロビン』から絶滅した5400万年前のパキケタスの『ミオグロビン』を蘇らせることに世界で初めて成功しました。

 そして、『ミオグロビン』の進化の課程を解明していく中で、その構造が安定化し壊れにくくなっていることが明らかになったのです。

 「要するに品質があがっているわけですよ。工業的な言い方をすると」「このプロセスをどうしてこうなったんだというのを解明すると、原理とか仕組みですね。それをバイオ医薬品に活かせば、バイオ医薬品はもっと安定で、品質があがると」(研究者)

 現在のバイオ医薬品は特殊な動物細胞を使って製造されているため膨大な生産コストがかかっていますが、今回の研究成果を応用できれば、コストの安い微生物におきかえることが可能になり製造コストは10分の1以下になると期待されます。

 「動物細胞で培養しているようなバイオ医薬品を、大腸菌とか酵母とか簡単に培養できるもので合成できればコストが安くなる」(研究者)

 およそ5400万年前に地球で暮らしたクジラの祖先『パキケタス』。

 その進化の歴史から我々人類の特効薬となる日が来るのでしょうか。