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ねいの里で自然体験会 ニホンジカに注意を
(2019年02月11日 19時16分)
野生動物と人の関わりについて考えるイベントが自然博物園ねいの里で開かれました。
このところ、県内では、サルやイノシシの出没が問題となっていますが、専門家は、今後はニホンジカの影響が心配されるとしています。
このイベントは、野生動物への理解を深めてもらおうと、自然博物園ねいの里が企画したもので、家族連れなどおよそ60人が参加しました。
中では、ニホンジカのはく製を見せながら職員が体の構造を解説し、人間が足の裏全体で歩くのに対し、4つの足がある動物は指で歩くことなどを説明しました。
このあと、今月8日に狩猟で捕獲された体調1メートル30センチのニホンジカの解剖が行われました。
子どもたちの代表も解剖に参加し、職員に教わりながら筋肉の部位ごとに手際よく切り取っていました。
野生動物をめぐっては、近年、イノシシやクマによる農作物被害が増えています。
しかし、専門家は、注意すべき動物はそれだけではないと話します。
(ねいの里・間宮さん)「近年、人と野生鳥獣のあつれきが増えていて、特にイノシシの農作物被害の状況は大きい。シカも分布が拡大しているという状況の中で」
今後、ニホンジカによる被害が懸念されるというのです。
ねいの里によりますと、県内で捕獲されたニホンジカの数は、9年前はわずか4頭でしたが、3年前は122頭、おととしは155頭となり、増加傾向にあります。
すでに、長野県などでは農作物や高山植物などに大きな被害が出ています。
(ねいの里・間宮さん)「今は被害がない状況だが、今後増えてくると自然生態系への影響が大きく懸念される。そういった事がないように早め早めの対策が期待される」
11日は、イベントの最後にニホンジカの肉が入ったカレーうどんが配られ、子どもたちは初めての食感を楽しみました。
(子ども)「初めて食べた。甘い」「なんか柔らかくて、レバーみたい。美味しい」
(間宮さん)「今後イノシシやシカについても1人1人がどうやって付き合っていけばいいのか特に中山間地の人も含めてみんなで考えてうまく付き合っていく住み分けが出来るようになればいいので今後もこういう情報共有に取り組んでいきたい」
ねいの里では、今後もニホンジカの分布範囲の把握や生態調査を行い、普及啓発活動を続けていきたいとしています。
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