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2019年01月16日(水)

※富山県内のニュースです。


 黒部の秘境 温泉小屋守る山人 

(2019年01月16日 18時17分)

 黒部峡谷鉄道の終点、欅平(けやきだいら)から黒部ダムのあいだには、険しい峡谷に沿って、およそ30キロの登山道が整備されています。

 16日の「人ものがたり」は、この登山道を命がけで歩かないとたどりつくことができない秘境の山小屋が舞台です。

 黒部峡谷の奥地で、温泉小屋を守り続ける山人(やまびと)の1年を追いました。

 狭いトンネルを抜け、断崖絶壁を歩くこと6時間。

 「日本一(にほんいち)危険」とも言われる温泉は、この道を進んだ先にある。

 黒部峡谷の秘境に立つ、阿曽原(あぞはら)温泉小屋。

 「お疲れさまでした。はい、お疲れさんでした。よう頑張りました」(佐々木さん)

 25年前から、小屋を切り盛りする、佐々木泉(ささき・いずみ)さん。

 登山道の整備に時間がかかるため、営業できるのは、1年のうち3か月ほどだ。

 例年、阿曽原では、6月上旬から、小屋開けの準備が始まる。

 「えっとねえ1センチやな。1センチ上げ、とりあえず」(作業員)

 まずは、前の年に解体した小屋を組み立てなければならない。

 「大変・・・本当は建てっぱなしにしときゃ、こんな楽な仕事っちゅうか、苦労せんでもいいんやけど・・・」(佐々木さん)

 今から78年前。

 発電所建設の作業員宿舎だったこの場所は、大規模な雪崩に襲われた。

 当時の新聞は、「行方不明者26人」と報じている。

 小屋の近くで、雪崩が発生した跡が確認できる。

 「足元見えんから気つけてね」「雪崩で運ばれてきた石なんや。こんな急斜面にこんな石とどまるわけないもん。去年なかったよこれ。危ねえよ」「これも壊されとるし・・・いや、俺25年で初めてやな。ちょっと弱ったもんや。これお湯絶対たまるわけないし。こんなもんね」(佐々木さん)

 「屋根はまとめて最後にあげらか?了解」(佐々木さん)

 組み立てから3日目。

 7か月ぶりに小屋が姿を現した。

 かつて山岳警備隊員として、13年間、富山県警に勤めた佐々木さん。

 山小屋の経営を始めてからも、民間の協力隊員として、救助現場に立ち続けてきた。

 山岳救助での功績は、勲章の数が物語る。

 古巣の県警から、たびたび表彰されただけでなく、知事からも功労表彰を受けていた。

 「怖え〜」(カメラマン)

 断崖絶壁の道が続く、黒部峡谷の奥地。

 黒部ダムまでの30キロにわたるこの道は、大正から昭和の初めにかけて、発電所建設の調査のために作られたものだ。

 佐々木さんの小屋は、登山道の整備も担っている。

 前の年に設置した桟橋(さんばし)が、雪崩や落石で壊され、行く手を阻んでいた。

 彼らは決して山に抗わず、人の力が及ぶことだけに取り組んできた。

 「この険しい所に人間がようこんな道作ったし、維持管理ずっとやってっとる。山もすごいけど人間もすごいなっちゅうことを、あした考えながら歩いてってもらえたら」(佐々木さん)

 「また来れるように体力温存してがんばります」(登山客)

 「ご飯食べたか?ちゃんと?」(佐々木さん)

 「いつもよりもすごいいただいてます」(登山客)

 「あっそうか」(佐々木さん)

 「梅干しも懐かしい味がしました」(登山客)

 「行ってきます!」(登山客)

 「はい!ご苦労さん!ありがとう。はい、気付けて。ありがとね。はい、ご苦労さん。はい、気付けて」(佐々木さん)

 「下から脚立持ってきて!一番外側全部外していってくれ!」(佐々木さん)

 「よっしゃ!」(佐々木さん)

 「はい、流すよ!」(従業員)

 「国立公園というか国の宝やと思うし、そこを預かっとるっちゅうプライドっちゅうかな、そらはあるちゃ。うん。俺らが一番最前線におって一番よく見て、一番そこに訪れとる人に直接触れて話聞いとるっちゅうのはあるから。来て、ただお金置いていってもらえばいいわっちゅう考え方では、やっちゃいけない仕事やと思うし」(佐々木さん)

 「よし!オッケー!・・・帰ろ!」(佐々木さん)

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