少し前の話になりますが、
去年の年末から今年の春にかけて取材させていただいた方の話を少し。
富山市で『手わざ』を守り続けている男性を取材させていただきました。
その男性とは、高橋正明さん。

富山市の田中町で「太鼓職人」として、3代目を守り続けていらっしゃる方です。
某家電量販店さんの隣という場所にあるそのお店が、私ずっと気になっていたんです。
「太鼓屋」って一体・・・??

祭り道具を売っているお店?太鼓を作っているお店?
そういえば、太鼓ってどういう風に作るんだろう??
そもそもそんなお店がこんなまちなかに・・・?
それで去年の夏に何の連絡もなくふらっと伺いました。
約束していたわけでもないのに、高橋さんは気さくに話してくださり、何でも教えてくださいました。
しかも!とっても自虐的に!!笑
「この時代、太鼓屋なんかぜんぜん儲からんわー」
「太鼓は一家に一台ってものじゃないし、生きていくうえで必要ないでしょー??」
「表に出る仕事じゃないし、この職業、今の若い人は興味も持ってくれんよー」
・・・などと。高橋さんは笑いながらざっくばらんに
でもきちんとこの職業のことを教えてくださいました。
深い歴史があること、
素材には徹底してこだわっていること、
とにかく『長持ち』を求めていること、
手にしみついた感覚ですべての工程を手作業でおこなうこと、
そして、
高橋さん自身が県内最後の太鼓職人であるということ。
お店についての資料や昔の写真などもなく、創業の正確な年もわからない(大体明治の初期ごろであろうということでしたが)。
でも、これまで続いてきた職人としての歴史をとても誇りに思っていらっしゃることは
ひしひしと伝わってきました。

ちょうどそのとき高岡市のお寺から修理を依頼されていた太鼓があるということで、
作業に入られるという寒の時期から取材をさせていただくことに。
その太鼓は200キロ近くもあるであろう、大きなものでした。

持ち上げるのも一苦労、というこの太鼓をたった一人で修理をおこなうわけです。
それもみっちり3ヶ月。

全体重をかけて皮を引っ張るという力作業もあれば、
裁縫のような細かい作業もあり、
外からはまったく見えないところに強度を持たすような作業も・・・

↑(私たちも突然のことで驚いた、太鼓の上でジャンプする高橋さん)
まったく知らないことの連続で、作業のすべてが新鮮でした。
工程はすでに放送したとおりなのですが、その職人さんの思いといいますか、
跡継ぎがいないとわかっている今、
『仕方ない』と笑いつつも伝統の技をしっかり守り続ける姿に
本当に感動しました。
本音を言えばカメラマンに撮ってもらった映像、すべて放送したかったくらいです。

高橋さんの思い、決まった時間の中でしっかり伝えられたか?いささか不安もありますが
『富山にこういう職人がいたという記録映像としても残してほしい』
と喜んでもらうことができ、私はそれだけでもうれしく思いました。
高橋さんの『手わざ』を継ぐ人がこれから先、もし現れなかったとしても、
高橋さんの手がけた太鼓はあと100年、200年と生き続けるんです。
なんといっても
長持ちしますからねっ!!!
自分が手がけた「作品」がこの先も長く残るという「職人」て、
とても素敵な職業だなと感じるのでした。
そして放送後、高橋さんからいただいたミニ太鼓♪♪

とってもかわいいですが、使われている素材は本物の和太鼓と同じもの。
小さいなりに本格的な和太鼓です。
高橋さん、ありがとうございます!!
大事にしますね!!